SONY E35mm F1.8 vs フジアン35mm F1.7

α NEX-6

KILL la KILL

逆光のシーンで撮影してみました。
モデルは、コスプレイヤーのシュウさん(左・青)と、りくは さん(右・白)です。
アニメ KILL la KILL(キルラキル)の纏流子(まとい りゅうこ)と鬼龍院皐月(きりゅういん さつき)に扮しています。なかなか決まっています。

SONY E 35mm F1.8

▼画像1  E35mm F3.2 1/60秒 内臓ストロボ使用 PhotoShop補正
SONY E35mm F1.8作例写真

背景を整理するため、下から天井を見上げるアングルで撮影しました。白い天井と正面の窓の影響で、かなり強烈な逆光です。太陽のような点光源であれば影響はむしろ少ないのですが、背景全体が光であふれた面光源は影響大です。逆光やフレアに強い最近の単焦点レンズE35mmでもフレアが出て、画面全体のコントラストが低下しました。しかしそんな画像も、フォトショップの自動スマート補正をかければ、ご覧のようにはっきりくっきりした画像に変換可能です。
逆光ぽさを残しつつ、くっきりした画像になっていて、いい感じだと思います。

▼画像2  E35mm F3.2 1/60秒 内臓ストロボ使用 PhotoShop補正
コスプレ写真

▼画像3(画像2の補正前の画像)  じつは、フォトショップによる補正前は、下の状態でした。
背景全体が強烈な面光源なので最新の単焦点レンズでもこれくらいコントラストが低下します。しかし、輪郭部分はしっかりと描写されていて光の回り込みは少ないです。だからこそフォトショップの補正で、くっきりした画像が出てきます。コーティングや内面反射に工夫がされているのでしょう、がかなりふんばって情報を残している優秀なレンズです。
画像処理前の写真

▼画像4  E35mm F8 1/100秒 内臓ストロボ使用 PhotoShop補正
中二階のような場所で撮影しました。天井と壁は白く、窓もあるためどのように撮っても逆光です。無頓着にシャッターを押すと人物は暗くなるし、露出補正をプラスにかけると力のない白っぽい画像になりがち。じっくり設定をいじっていられるケースばかりではないので、時間が限られているときは、露出補正をプラスにし、弱めにフラッシュを当てて、あとは画像処理ソフトで補正をかければ、RAW撮影でなくても見られる画像が出てくることが多いです。
纏流子vs鬼龍院皐月

【画像1~4共通データ】
ボディ:SONY α NEX-6  レンズ:SONY E 35mm F1.8 OSS SEL35F18
ISO感度:1600  プログラムAE  分割測光  露出補正:+1.7  ホワイトバランス:オート
内臓フラッシュ使用(フラッシュ露出補正:-0.7)
JPEG元画像をフォトショップにて明るさ調整と自動スマート補正実施。3264×4912pixelからリサイズ
画像3は、回転(傾き修正)とトリミング実施

フジアン35mm F1.7

▼画像5  フジアン35mm F1.7開放? 1/160秒 内臓ストロボ使用 PhotoShop補正

ピントが合っていると思いきや、そのすぐ近くがボケていたり、またそこから離れた部分にピントが合っていたりと、いったいどこにピントがあるのかわからないレンズ。
像面湾曲がその原因ですが、これはこれで味というか、独自の雰囲気を作り出すレンズです。
しかし、コーティングがまったくされていない「単なるガラス」のようで、背景が明るいとフレアが出て画面が白くなります。それもフォトショップでかなり補正可能。 フジアン35mm F1.7作例写真

▼画像6  フジアン35mm F1.7開放? 1/160秒 内臓ストロボ使用 PhotoShop補正
FUJIAN 35mm F1.7作例写真

【画像5、6共通データ】
ボディ:SONY α NEX-6  レンズ:フジアン 35mm F1.7
ISO感度:400  絞り優先AE  分割測光  露出補正:+0.7  ホワイトバランス:オート
内臓フラッシュ使用(フラッシュ露出補正:-0.7)
JPEG元画像をフォトショップにて明るさ調整と自動スマート補正実施。3264×4912pixelからリサイズ


撮影アングルが逆光しか選べないケースや、画面を整理するために白い天井や壁を背景にするケースがあります。そんなとき問題になるのが、フレアによるコントラストの低下です。
最近の単焦点レンズはコーティングの発達もあり、フレアがかなり抑えられていますが、構成枚数の多いズームレンズや、オールドレンズなどでは盛大にフレアが出ることがあります。

そんなとき、画像処理ソフトを使えば、ワンタッチでコントラストの改善ができます。白っぽくなった画面が、くっきりはっきりして、色がのってきます。私はフォトショップの自動スマート補正を使っていますが、「こんな簡単に補正できてしまっていいのだろうか?」と思うくらい効果があります。
今では、そういった飛び道具が使えるので、カメラアングルが逆光だろうが、フレアに弱いレンズだろうが、あまり気にせずどんどん撮っちゃえばいいんです。

もちろん、元画像は高画質なほうがいいので、可能なフレア対策はしておくべきです。
1.レンズプロテクター(フィルター)は外す。
余計なガラス板が加わることで、レンズとフィルター間で反射がおこり、フレアやゴーストが1ランクくらい悪化します。マルチコートのプロテクターは従来品よりは良いようですが、私は最近はプロテクターはほとんど使っていません。(砂ぼこりのある場所など、特別な理由があるときのみ使用)

2.レンズフードを取り付ける。
正面からの光(面光源)の場合、レンズフードを装着しても効果はなさそうですが、実際に装着してみるとフレアが減少することがあります。推定ですが、正面からの光があるということは、少しはずれた横や上下方向からの光もじつはたくさんあって、フードによってそれが遮られてフレアが減少するのではないか、と思います。
今回の撮影でも、E35mmにはかぶせ式フードを装着しています。フジアン35mmには、黒い画用紙を円筒状に巻きつけた手作りのフードを装着しています。

※FUJIAN 35mm F1.7で撮影した写真がこちらのページにもあります→ FUJIAN 35mm F1.7

(2014/02撮影・2014/03公開)