UVトプコール135mm F4

α NEX-6

平和公園にて / in the Peace Park

【撮影に使用したレンズのコンディション】
ジャンク扱いのレンズを購入。光学系は比較的きれい。
極端なキズ・汚れ・くもりはないが、レンズ後群の周辺に直径3mm程度の丸いカビ跡が3つある。分解形跡があり、ピントリングがぐるぐると2周回ります。ヘリコイドの組み付け位置を間違えているのかもしれません。

■画像1b
ボディ:SONY α NEX-6  レンズ:UVトプコール135mm F4
ISO感度:200  絞り:F4開放  シャッター速度:1/640  ホワイトバランス:昼光  三脚使用
JPEGの元画像4912×3264pixelから900×600pixelへ リサイズ
すっきりした描写で解像度も高いです。
UVトプコール135mm F4による作例写真・1b

■画像1b_up
画像1aから900×600pixelの範囲をピクセル等倍切り出し。
現在の望遠ズームと比べても、線の細さと細密な描写は勝っているレベルだと思います。
(衣類の輪郭に色収差が若干出ていますが、元々なのか? 分解後の再組み付け精度が悪いためなのか?) UVトプコール135mm F4による作例写真・1d

■画像2b
ボディ:SONY α NEX-6  レンズ:UVトプコール135mm F4
ISO感度:200  絞り:F4開放  シャッター速度:1/800  ホワイトバランス:昼光  三脚使用
JPEGの元画像4912×3264pixelから900×600pixelへ リサイズ
UV TOPCOR 135mm F4による作例写真・2b

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ジャンク&絞り開放でここまで写るのは、実力の証明!?

さて、ここでタネあかしをします。

じつは、上の3枚の画像は、JPEG元画像にフォトショップで「スマート補正」をかけることでコントラストを上げて(色味を濃くして)います。
カビのある古いレンズということもあり、また解体形跡のあるレンズということもあってか、JPEG撮って出しでは画面全体にフレアがかかって白っぽい画像です。

以下が元の画像です。
コントラストの低下を除外して見ると、線の細さやすっきりした描写、階調表現など、本来の実力をうかがえます。

■画像1a
UVトプコール サンプル写真・1a

■画像1a_up
画像1aから900×600pixelの範囲をピクセル等倍切り出し。
UVトプコール135mm F4による作例写真・1c

■画像2a
この写真も(コントラスト低下に目をつぶれば)、本来の諧調は豊富で、質感描写や解像度に優れていることがわかります。
UV TOPCOR サンプル写真・2a
画像処理ソフトとはいえ、元画像がしっかりしていないことには補正のしようがありません。このレンズは、優秀なレンズということです。

※注意:東京光学の名誉のため書いておきますが、以上はあくまでも「カビと分解形跡のあるレンズによる作例」です。コントラストを含め、本来の性能はもっと優秀だと思います。

【デジカメでの使用方法】

UVトプコールレンズ用のマウントアダプターで、2014年1月現在「大量生産」されているものはありません。
私は簡易的な方法として、ヤフオクなどで2,000円前後で販売されているNEX用(SONY Eマウント用)の接写リングを使用しました。
SONY Eマウント用接写リング

1、2、3と番号がふられたリングが付属した接写リングのセットです(中国製です)。このうち、3のリングと、NEXの(Eマウントの)カメラボディ側に取り付けるマウント用リングの2つだけを使用します。

この接写リングは、3のリングを使用すると、偶然にも外径とフランジバックがUVトプコールレンズにほぼぴったり一致します。
そこで、接写リング、UVトプコールレンズ、フード(手持ちの適当なもの)を、黒いガムテープで貼り付けて固定します。(ピントリングの回転はできます)
この方法で、このページの作例写真を撮影しました。
NEX-6へのUVトプコールレンズ装着事例

今回はNEX-6で使用しましたが、ソニーα7R/α7も含め、ソニーのEマウントカメラであれば、この方法で使用可能なはずです。この接写リングは単なる「筒」であり、遮光用マスクなどは内臓されていませんので、センサーサイズがAPS-Cでも35mmフルサイズでもケラレなく使えるはずです。(私自身では未検証です)

なお、実際の撮影では、以下の設定となります。

・レンズを装着しなくても(カメラがレンズを認識しなくても)シャッターが切れる設定にする。
 NEX-6の場合は、 メニュー ⇒ セットアップ ⇒「レンズなし時のレリーズ」を「許可」に変更する。
・ピント合わせはマニュアルです。
・露出は、絞り優先オート または マニュアル です。
・絞りは、開放F値での使用となります。

※UVトプコールレンズは、絞り羽根は内臓されていますが、それを動かすための絞りリングはカメラのボディ側にあります。したがって、レンズのみを今回のように使用する場合、絞りの調整はできません。(工作や加工をすれば可能ですが手間がかかります)
また、現在市場にあるUVトプコールレンズは、絞り羽根が油で固着して動かないレンズが多いようです。

他の撮影上の注意点ですが(オールドレンズを使用している方は、経験上理解されていると思いますが)、
・ピント拡大機能を使えば、正確なピント合わせが可能なので、使ったほうがよい。
・特にこのレンズは135mmの望遠レンズなのでブレ防止と、ピント合わせを容易にするために、できれば三脚を使用したほうが良い。
・シャッタースピードは「焦点距離分の1秒」という「伝説」がありますが、フィルムの感度が低かった時代の最低限の話だと思います。ブレ防止のため、シャッタースピードは速いにこしたことはありません。今回の作例では1/500秒以上の高速にしたかったので、ISO感度を200に設定して、1/640と1/800でシャッターを切っています。
・このレンズに限らず、古いレンズはフレアやゴーストが出やすいので、(室内や曇天でも)深めのレンズフードを使用したほうが良い。
・レンズフィルターは、フレアやゴーストの原因になることがあるので、特に必要がない限り使わないほうが良い。
といったところです。


【補足】
このレンズ、UV TOPCOR 135mm F4を室内の照明にかざしていて気づいたのは、後群レンズ保持部の鏡筒内面が、白く光ることです。鏡筒内面には黒い艶消し塗装がされていますが、塗装面で光が反射しています。
ここに黒い起毛の遮光材を貼れば、フレアが減少するのか? しないのか?
今回は、時間切れで検証まではできませんでした。

(2014/01/26)