SONY DT55-200mm F4-5.6 SAM SAL55200-2

SONY α37

スナップショット(200mm望遠端)/ Snapshot

【写真1】サーキット
SONY DT 55-200mm作例写真

200mm ISO400 分割測光 絞り優先AE f11 1/4000 -2.7EV
この画像の大きさ(横幅900ピクセル)では、ほとんど気にならないが、路面のかげろうで像が揺らぎ、じつは細部の解像度が低下している。望遠レンズによる撮影では、レンズ性能以前にかげろうが画質のボトルネックになるケースが、わりとある。
ちなみにこの【写真1】では、ゲートの「ADVAN」の文字に置きピンしている。

【写真2】太鼓少女
SONY SAM SAL55200-2作例写真

200mm ISO400 分割測光 絞り優先AE f8 1/800 ±0EV
ピントをきちんと合わせれば、とてもシャープに写ります。


明るさがF4-5.6でよければ、必要十分なレンズ

画質面で、特に気になるような欠点が見当たらないレンズである。
・ピントをきちんと合わせれば、十分シャープに写る。(F8~F11くらいに絞るとベター)
・フレアやゴーストが気になることがない。(レンズフードは着用。レンズプロテクターは使っていません)
・抜けが良く、すっきりした描写。

私はα37で使っていたが、ボディとの組み合わせで画質向上に貢献しているのが、次の3点。
・電子的なレンズ収差補正機能がはたらく。(色収差、周辺減光、歪曲収差)
・自動手ブレ補正機能が効く。
・EVFでフォーカス拡大ができるので、マニュアルで正確なピント合わせが可能。

あと、大事なことは、
・DT55-200mmは305グラム。APS-C用望遠ズームとしては軽量なので、持ち運びが楽。レンズは持っていかなければ写真は取れない。軽量は武器。
おまけとして、
・55mm(35mm判換算82.5mm)始まりは、用途が広い。デジタルカメラ初期の望遠ズームレンズはフイルムカメラ時代からの流れで、70mm-200mmや80mm-200mmが多く、焦点距離が長すぎて使いにくいケースがあったが、55mmは便利。
といったメリットも。

では、欠点は、と問われれば、
・オートフォーカス精度に難あり。オートまかせだと、けっこうピンボケがある。DT 55-200mmはSSMではない。また2014年現在ではα37は最新機種ではないし、そもそも入門機の位置づけ。したがって、とやかく言ってもしょうがないが。
・マニュアルフォーカス時のピントリングの回転フィーリングが、それなり。連続してスムースに回る感じがなく、クックッとまわってひっかかり、まわってひっかかり的な感じがある。ピントリングではなく、レンズ先端に取り付けたフードを直接もって回転させるとスムースに回るような感じがある。
これらは「仕様」の領域であり、実売価格2万2千円を切ったこともあるレンズにそれ以上のことを求めるのは酷だろう。
(とは言うものの、2013年08月にリニューアルされたDT 18-55mm F3.5-5.6 SAM II(2型)は、マニュアル時のピントリングのフィーリングが改善されているので、このDT55-200mmも改善は技術的には可能だろう)

カメラやレンズは、頭の中だけで考えていると、どんどん高スペック=高価格なものが欲しくなってしまうが、Aマウントに関しては、たいていの被写体にキットの望遠ズームDT55-200mmで対応可能、というのが私の結論だ。


このページの写真3枚すべてに共通するのは、
・1脚使用。構図の安定や、ピント確認にはカメラの固定が必要。場所を移動しながらの撮影なので3脚ではなく1脚。
・フォーカスはマニュアル。マニュアルでピントを合わせておき、あとは被写体のタイミングを見ながらシャッターを切った。
また、(手ブレ補正が効いても)ブレ防止のため可能な限り速いシャッター速度を切るのが基本。【写真3】は意図的に(焦点距離200mmとしては)スローシャッターの1/80秒です。

【写真3】太鼓青年
SONY DT 55-200mmサンプル画像

200mm ISO100 分割測光 絞り優先AE f6.3 1/80 -0.7EV 画面上部と左右を若干トリミング
200mmとしてはスローシャッターである1/80秒です。
撮影現場ではカメラの設置位置が限定され、背景の整理ができないことがある。大口径レンズならば背景をもっとぼかすことができたか? 大差なかったか?

(公開2014/08/24・最終更新2015/01)