MORITEX 35mm F1.9 ML-3519

Panasonic LUMIX G3

阿佐谷 / Asagaya,Tokyo

【写真1】
CCTVレンズ作例写真

ISO160 分割測光 絞り優先AE f5.6前後 1/250 +0.66EV
ホワイトバランスを「フラッシュ」に設定

【写真2】
MORITEXレンズ作例写真

ISO160 分割測光 絞り優先AE f5.6前後 1/125 +0.66EV
ホワイトバランスを「フラッシュ」に設定

【写真3】
MORITEX ML-3519 作例写真

ISO160 分割測光 絞り優先AE f5.6前後 1/60 +0.66EV
ホワイトバランスを「フラッシュ」に設定

【写真1】の画面中央から等倍切り出し
Cマウントレンズ作例写真・画像中央中央は、そこそこシャープです。

【写真1】の画面左側から等倍切り出し
Cマウントレンズ・サンプル写真・画像左側周辺は、いいあんばいで画質が劣化しています。


CマウントCCTVレンズの魅力

16mmシネカメラ用のCマウントレンズというものが世の中にあります。フィルムで映像を撮っていた時代には必需品だったが、ビデオカメラの普及などにより使い道が無くなってしまった。きちんとした光学製品であり、中には高価だったものもあり、捨てるわけにもいかず、もらってくれる人がいるわけでもないので、やむなく死蔵していた人がほとんどだったようだ。

ところが、状況というのは変わるものである。フランジバックの短いMFT(マイクロフォーサーズ)の登場により、アダプターを介してカメラに取り付ければ、Cマウントレンズでの撮影が可能になった。
最新のデジタルカメラでかつてのレンズがよみがえるということで、Cマウントレンズが脚光を浴びた。結果、往年の名レンズは高騰し、簡単には手が出せないものになった。

そんな中で、手軽に試せるCマウントレンズとして注目されたのが、CCTVレンズである。CCTVレンズとは、監視カメラなどに使われるレンズのこと。(CCTV:Closed Circuit Television。一般公開されるテレビではなく、店舗や工場など限定された場所で使用される監視用テレビなど)
「Cマウントレンズ」などのキーワードで検索すればネットオークションでもみつかり、新品でも数千円で販売されているものがあるので、マウントアダプターをあわせて入手すれば、手軽に楽しめます。

私がネットオークションで入手したレンズは、銅鏡に「JAPAN」と彫られているがメーカー名は無し。調べたところ、MORITEX(モリテックス)社製のML-3519というレンズらしい。
http://www.schott-moritex.co.jp/products/mvs/property.php?c_code=A-0203

イメージサークルがMFTの画面をどの程度カバーするのか、あるいはMFTで無限遠にピントが合うのか、といった情報がネット上にも無く、ダメ元で入手しました。
Cマウントアダプター経由でMFTのパナソニック・ルミックスG3に取り付けたところ、四隅がケラレるものの(ケラレるからこそ)、いい感じで写ります。無限遠もちゃんと出ます。
焦点距離が35mmなので、35mm判換算70mmの中望遠になり、また開放F1.9と大口径なので、ピントを合わせた部分以外はそれなりにボケます。一般的な中望遠のイメージに近い感じで使えます。

画質的には、中心部はそこそこ解像度が良くて、周辺にいくにつれて像がくずれ、肉眼がでもそれがなんとなくわかり、独特の味をかもし出しています。

CCTVレンズは、一般的に100万画素対応なので(要確認)、1600万画素のG3には本来は力不足で、それが味になっています。
また、MORITEX ML-3519の最大適合CCDが2/3インチで、MFTは4/3インチなので(←合ってますよね?)、MFTに取り付けると長さ方向で2倍くらい“無理”をしている計算になります。

【参考】
2/3インチセンサー……横 8.8mm×縦6.6mm
4/3インチセンサー……横17.3mm×縦13mm
               ↑
           合ってますよね?


掲載した3枚の写真は、カメラのホワイトバランスを「フラッシュ」に設定して撮影しています。ホワイトバランスがオートのときに比べ、色温度が変わり画面が若干セピア調を帯びます。
セピア調の設定のあるカメラもありますが、極端すぎるので、気づくか気づかないくらいのわずかなセピア調にしたいときには(屋外では)「フラッシュ」に設定すればいいです。

もちろん、通常どおりに撮影してフォトショップなどの画像処理ソフトで後から手を加えたり、RAW撮影後に手てもいいですが。

(撮影2014/04・公開2014/09/11)