SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical

SONY α NEX-6

途中下車の街 / Stopover in a town

【写真1】
SUPER WIDE-HELIAR 15mm 作例写真

ISO:200 分割測光 絞り優先AE F8 1/1250 ±0EV

【写真2】
SWH 15mm 作例写真

ISO:200 分割測光 絞り優先AE F5.6? 1/500 ±0EV

【写真3】
スーバーワイドヘリアー 15mm作例写真

ISO:100 分割測光 絞り優先AE F8 1/250 +0.70EV


個性、強し

露出を少しずつ減らしていくと、あるところから空の青が濃さをぐんと増すレンズです。直射日光の陰も黒くつぶれ、コントラストが強かったリバーサルフィルムを思い出させる描写です。

35mmフルサイズ用レンズをAPS-C機に装着しているのでイメージサークルに余裕があるはずだが、画面端では空の濃さが増す。これは単純な周辺光量低下ではなく、センサーへの光の入射角の影響か?
湾曲収差は、この画角としてはたいへん少ない。

このページの写真のような青空の下のシャープな光景が、スーパーワイドヘリアー15mmの特徴を活かせる被写体のひとつだろう。

細かく見ていくと、中央部はシャープだが周辺の描写は(ピクセル等倍で見ると)色収差が若干目につきはじめる。
掲載した写真ではあまり感じないかもしれないが、パソコンのモニター上で元画像を観察すると、デジタル対応の最新の広角レンズに比べヌケが悪い印象。

太陽や照明など光源が画面内にあるとゴーストやフレアがかなり出る。
深いはずの超広角レンズの被写界深度をあてにしていると、意外や合焦部以外はピントが甘いことも。レンズの鏡筒に刻まれた被写界深度表示はあてにせず、どこにピントを合わせかしっかり決めることが必要。

スナップ用レンズとして

コシナ製フォクトレンダー・スーパーワイドヘリアー15mmと言えば「35mmフルサイズをカバーする超広角レンズ」ということになっている。もちろんその通りなのだが、私がこのレンズを入手した目的は「マニュアルフォーカスで使える小型軽量なスナップ用レンズ」としてである。

絞りリングとピントリング、そして被写界深度表示を備えた金属製の鏡筒。ピントリングはしっとりと回転する。オートフォーカス以前には当たり前だった交換レンズの特徴を備えたレンズです。

被写体に狙いをつけておいて、射程距離に入ったら素早くシャッターを切る。状況によってはノーファインダーでシャッターを切る。
そういった使い方ではオートフォーカスは合焦に手間取りシャッタータイミングを逃したり、ピンボケになってしまうことがある。事前に合焦位置を決めることができるマニュアルフォーカスレンズのほうがはるかに使いやすい。
(注:このページの作例は、ファインダーをのぞいて慎重にフレーミングとピント合わせをしています)

スナップには24mm前後の広角レンズが使いやすい。スーパーワイドヘリアー15mmは、APS-C機では35mm判換算22.5mm相当の広角レンズになり好都合。

スーパーワイドヘリアー15mmには2種類ある。初期型(販売終了)と、レンズ構成は同じだが外観が変更されたII型である。II型はフード(固定式)が大きくデザインがダイナミックでカッコ良いのだが、スナップ撮影には目立ちすぎるのでは、という懸念も。そこで、あえておとなしいデザインの初期型を中古で購入しました。

Photos taken by K
撮影2014/12・公開2014/12